2014年度8・19俳句記念日応募一覧

 

 

1荷の届き封開け新茶香りをり     

 

2爪の先痛みて辣韮洗い終え     

 

3蚕豆を剥きて青さの香の立ちぬ

 

4さみだれねこんなおことば使ってみたい(初めて記念日)

 

5五月晴れ日傘忘れて大火傷

 

6お母さんお願いだからまた会いたい(母の日)  

 

7わが人生この夫(つま)ありきで大当たり

 

8札入れに封印されてる若きわれ

 

9ほんとうねぼくは死なないと若き父

 

10雨上がり白き蜜柑の花香る

 

11かたわらに友舞台にも友この至福

 

12軽やかにタップタップタップ嬉し友

 

13風船が空中にとどまる超絶マイム

 

14共演者もわれ忘れてる超絶マイム

 

15暗転も舞台の効果面白し

 

16新緑を手に摘み取って食べてみる 

 

17にんべんに本を持たせてからだ(体)となる

 

18ふくしまの子ら守ろうとしないこの国の絶望

 

19電気なんぞいらぬ朝焼け日が昇る

 

20停電をみな忘れてるIT社会

 

21あたらしい焚書坑儒か電源切れる

 

22いつまでもあると思うな電気と空気

 

23白丁花(はくちょうげ)あなたを愛でる人もいる

 

24アイス食べ車走らせ爽快道 

 

25五月雨も走って爽やか湘南道

 

26新緑は目に良ししかしまぶしすぎ

 

27路地裏に爽やかな風道祖神

 

28憧れの爽やかな家庭水越家

 

29紫陽花を友携えて淡き濃き

 

30庭のよと紫陽花抱え友の笑み

 

31紫陽花をお茶受けにして昼の宴

 

32かえる鳴くうれし懐かしふるさと悲し

 

33天然のエアコン楽しむさつき晴れ

 

34ノマドなるスタイル友ら地球人

 

35子規庵の庭に小さき糸瓜花

 

36子規庵の庭をちこちの蚊遣香

 

37汗ぬぐひ歩みも緩む鎮守森

 

38不忍の池のほとりの若葉もゆ

 

39若葉もゆ道をかけだす子供たち

 

40雨あがりとなりの庭の若葉もゆ

 

41木々の葉の揺れる谷中路風光る

 

42葉桜の路地をたずねて書道館

 

43子規庵のそぞろに垂れる藤の種

 

44ありがとういつも笑顔であろがとう

 

45木漏れ陽の午後にふさわしカヌレの香

 

46あじさいや園児の顔にみえてくる

 

47額あじさいもしかしたらばお花のUFO

 

48紫陽花や子らの笑顔溢れけり

 

49梅雨空もハワイのラジオで爽やかに

 

50蔦の葉の風を暑さのお見舞いに

 

51紫陽花や雨でもかせぐ鎌倉のまち

 

52あじさいのブローチ自慢迎え梅雨

 

53梅雨冷えに迷うしあわせ家族の寝具

 

54なめくじに殻つけたしと幼き息子

 

55亡き母の愛かと思える危機回避  

 

  (---助かった、おかあさんありがとう。の記念)

 

56稽古あと談は宴に梅雨の入り

 

57枝元に雨の雫や柿の花

 

58短夜に土産の飴をかじりをり

 

59カヌレ食べ語るビジョンに笑みこぼれ

 

60汗ばんだ靴に紫陽花梅雨を知る

 

61隠れたるあじさい名所わが陋居(ろうきょ)

 

62夏支度去年(こぞ)よりはるかに若返り

 

63JRの席ゆずってもらった異国の人に

 

64サングラス似合った頃もあったはず

 

65かき氷しかなかった峠の茶屋 ーー(夏山の思い出)

 

66リストラも小さな事かと額紫陽花

 

67今朝もまた猫と挨拶夏の庭

 

68ヒヨ(鵯)の来て物干す我と目の合ひぬ

 

69彼(か)は誰そ`ニセ`アカシアの白き花

 

70六月のカラーのつぼみ光る露 

 

71パーティの主役は皆をハグると宣言(メディカツ200回記念日)

 

72パーティのさいごは主役にハグをされ(メディカ73ツ200回記念日)

 

74夕立や昔無くした傘いずこ

 

75夕立や予報信じて干し物セーフ

 

76雨やどり恋人たちの軒の下

 

77雨やどり新しき靴白き靴

 

78雨やどり若き社員の上目が似合う

 

79ハワイでは夕立演じる二重虹

 

80友の爪やはりサッカー色になっている 

 

81うぐいすが起こしてくれる夏の朝

 

82誘われて参加しますと返事初夏

 

83南風天空いざなふ熱気球(トルコ旅行記念)

 

84水無月にきょうふるかなと梅雨の空

 

85夏の雲物干し上がり妹と見る

 

86自分の句素敵な文字で書きたいな

 

87こんなことしてくれたこと蛍の灯の

 

88恋ひとつ見上げた雲ふるさとの夏

 

89恋ひとつ三年(みとせ)経た秋終わらせる

 

90恋ひとつ逃れてきたの東京の秋

 

91七夕や浴衣を着せて離乳食

 

92恋ひとつ捨てて拾った御茶ノ水の街

 

93過去のことそういう人こそ好きなんだって

 

94夏の海働く教え子真っ黒けのけ

 

95初盆のにぎわう仏間寂しき心

 

96初盆の幾人(いくたり)か増えつつ老いゆくの

 

97精霊流し川辺の詩情阻むコンクリ 

 

98ふるさとの家姿なき父母(ちちはは)なれど笑顔がみえる

 

99海ひらくお隣さんはハワイなの

 

100宙(そら)ひらくお二階さんはお月さま

 

101蓮のすしほわりと持つ手は祈るごと

 

102銀座にも浴衣軍団人に酔い

 

103夏の日のこぼれんばかり咲いている

 

104汗まみれ臭さの中でなめつくす

 

105臭いほど異性を魅了ドリアン君

 

106ドリアン食いこんなはずではシャムの国

 

107初めてのドリアンの味夏の午後

 

108ドリアンを話の種に種しゃぶる

 

109My name 右から読めばARUMANI

 

110銀座路我が名と見まごうARMANI

 

111早朝の支援礼電話あり原発除染処理仕事前

 

112空から海から地底から人間からも攻撃か

 

113台風や戦争貧富偏見差別もろもろ悪を吹っ飛ばせ

 

114夏空や我の名を呼ぶ人在りて

 

115彼の歌で耳ふさいでる風の中

 

116石榴酒を作ってみたき夏の宵

 

117支援の食器包む新聞紙原発記事を避けながら

 

118三重苦津波原発東電の仕打ち

 

119向日葵の声が聞きたし十五日

 

120亡き母の喜寿を祝いて注ぐビール

 

121会談夜(かいだんや)怖いふりしてしがみつく

 

122名店の パンを求めて並ぶのか我

 

(湯河原の有名パン店「ブレッド&サーカス」を訪れた記念)

 

123真鶴の舳先にカッパTAROさんが呼んだ

 

(「真鶴アートミュージアム」を訪れた記念)

 

124小さな手蝉つかもうと汗握る

 

125うれしうれし4人目の孫いえ友人の

 

126汗の質変わる写真に謎の顔

 

127暑い日の赤城しぐれと蝉時雨

 

128出たよ出たおばけ屋敷に稲川淳二氏

 

(スペシャル選者を記念して---いちばん怖いかも)

 

129ゆうゆうと一番乗りの赤とんぼ

 

(目の前を一匹の赤とんぼがゆったりと横切っていきました、敗戦記念日)

 

130うれしうれし俳句記念日花火が祝砲

 

131行く雲を見送りている川の土手

 

132稲川淳二みんなで聴けば倍怖い

 

 (怪談の面白さは、一人じゃなくて、みんなで聴くこと)

 

133出たよ出た湯船の縁に稲川淳二

 

 (怪談ナイト観た方には、わかる!)

 

134日の落ちて待つ人ありて秋簾

 

135野辺行けばお地蔵様と百合の花

 

136しべ取りて百合整えし稽古前

 

137蛍狩りまずは宴のひとしきり

 

138遠雷を聞いて歩早む夕支度

 

139水蜜桃指さきに残る甘い香

 

140すすき伸び仙石原の秋はじめ

 

141長袖のおしゃれが映える秋初め

 

142水蜜桃かわいい姿にとげがある

 

143草の穂が風に揺れてる秋初め

 

144栗の実がたわわにみのり秋はじめ

 

145蜩の鳴き声響き樹々の風

 

146満月が楽しみになるあと幾夜

 

146子供達水蜜桃はごちそうだ

 

147店先で食べ頃探す水蜜桃

 

148霧の間に雲海ヒカル山景色

 

149水蜜桃おいしい顔がほとばしる

 

150通学路賑わい帰る秋初め

 

151秋初め朝な夕なにカナカナと

 

152百日紅空気のとまる紅一点

 

153聞き終えてお次は自分が稲川淳二氏

 

154桃の種植えてみようか阿蘭(オーラン)のように

 

155縁側で食べた西瓜の種から芽

 

156びわの種いつしか大木切らざるを得ず

 

157びわの字は枇杷よりびわだ形が似てる

 

158プロヴァンスシアワセ運ぶ蝉の声

 

159シエスタの目覚まし時計蝉の声

 

160敬老日隣の犬は写楽顔

 

161秋の蝶翅に健康保険証

 

162子の遊び古きを語る草相撲

 

163父母となりて子を抱く盆踊り

 

164花笠踊り日本一かと練り歩く

 

165新米供へて独りお仏前

 

166厳島舞楽奉納鹿の声

 

167夏山に鹿の跡かと名残り雪

 

168白桃の産毛光らせ並びおり

 

169桃の種やけに紅色主張せり

 

170秋はじめまだまだ布団が邪魔な朝

 

171秋はじめ木の葉の影に実を見つけ

 

172一輪でも薔薇という字に相応しく。

 

173雨の輪を蓮の陰からミズスマシ

 

174薔薇ガーデン背中で過ぎる若イヤホン

 

175アオサギや抜き足差し足雨に魚(うお)

 

176夕焼けにフラッシュバック夏の浜

 

177時も音も 虫も変わりて 秋告ぐる 

 

178ふれられるあいだにふれよ月見草

 

179名月やスーパームーン十六夜

 

180十六夜スーパームーン世(夜)は晴れる

 

181花火客その美しさに酔いしれる

 

182天然の持ち味冴える貴子姫

 

183辛くとも最後のひとふで幸せに

 

184辛くともかるく流して幸(さち)となれ

 

185口を吐(つ)き弱音を吐かねば夢叶う

 

186名月や透き通る夜ひとりじめ

 

187名月やまずもろともにひとしなみ

 

188電気なんぞいらぬ名月心に映ず

 

189電気なんぞいらぬ朝焼け日が昇る

 

190名月やあなただけはそのままで

 

191ふとわれに一息つかせし秋海棠

 

192秋空に浮かぶ雲見て綿飴か

 

193退院の知らせを待ちぬ葉月かな

 

194イヤホンをくるくる巻いて鰯雲

 

195遮断機の先は十六夜父の待つ

 

196朝霧に後に寂しい田圃かな

 

197刈り後に餌をもとめる白鷺か

 

198窓開けて入りし風に秋感ず 

 

199収穫に天気気になる秋の空

 

200いただいたアンスリウムは恋の花

 

201蓮根の穴からのぞく風景は 

 

202椎茸を娘嫌がり香り立つ

 

203ラディッシュおまえ20日で出来るのか

 

204夏野菜一口噛めば頬ゆるむ 

 

205夏野菜動物になり父母を呼ぶ  

 

206夕立に雨宿りして風情あり    

 

207黒い雲立ちこめぬ間に雨の音   

 

208冷風が合図のように雷雨なり   

 

209唐辛子一口噛んで涙する   

 

210手長蝦雨つぶあたり動き出す

 

2110点の答案用紙赤とんぼ       

 

212鈴虫の腹に染み入る七十路      

 

213コスモスの揺れる笑顔に恋をする 

 

214祭りの夜太鼓囃子に気もそぞろ    

 

215盆おどり昔も今も同じ歌       

 

216菜の花の畑の香り誘われて      

 

217香り立つとうもろこしの屋台かな     

 

218ひらひらと花舞い落ちる桜酒     

 

219しなやかに風に漂う柳の木       

 

220山葡萄歩き疲れて誘惑す       

 

221葡萄の木どんな花かと期待する    

 

222涼しげに夏の着物はやせ我慢     

 

223松描き思いを馳せる松島を      

 

224夏の日に汗をカキカキ墨絵かな     

 

225新鮮なカブの浅漬け食べたいな    

 

226衣替え袖を通さず箱の中       

 

227人生はいばらの道に薔薇が咲く     

 

228くぐり抜け水草の中めだか達     

 

229ひらひらと金魚たちの舞う姿     

 

230岩山に蜩の声こだまする       

 

231菊の花しだれる姿高貴かな      

 

232産地からいただく秋を絵手紙に    

 

233満月に話が弾み夜深し        

 

234水面に映る姿は赤とんぼ        

 

235十五夜にうさぎを想い月愛でる    

 

236月明りお団子を食べてすすきの穂    

 

237名月に浸れる余裕持ちたいな     

 

238花火観て短い人生(とき)を想うかな 

 

239たわむれる楽しい時間笑顔かな

 

240さとぴよの心に残る秋のラテ

 

241嬉しいな初ユーストの秋の朝

 

242ムクドリの餌となるのか蝉達よ

 

243カキの実の食べ頃知るか小鳥たち

 

244いつのまに駆け足になる246

 

245246(にーよんろく)秋風うけて鎌倉へ

 

246彼岸花愛しき人に伝えてよ